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不登校の生徒に悩む教員のあなたがまず変える部分とは

こんにちは、達朗です!

あなたのクラスには不登校の生徒はいますか?

クラスに不登校の生徒がいると「なんとか学校に来させなくちゃ」と焦ってしまいますよね。

あなたはこれまで不登校生徒にいろいろ働きかけてきたかもしれません。

全く反応がなく「報われないな…」と落ち込んでいる人も多いと思います。

でも、不登校生徒児童は小学校から高校まで合計すると18万人います。

社会全体の問題と言えます。

だから、教員のあなたが自分ばかりを責める必要はありません。

その代わり、学校に行きづらくなっている原因は考えておいた方が気持ちが楽かもしれません。

この記事の中では、コーチング理論を駆使して不登校になる原因を解明します。

これを読めば、ある方法を使うことによってあなたは不登校に対する理解が格段に深くなります。

この記事の目次

不登校の生徒は増加する一方

長期欠席や現在不登校の児童生徒は年々増加してきています。

不登校は日本社会全体の抱える問題です。

だから、あなたのクラスの生徒が不登校になっている状態は不思議なことではありません。

文科省の公表したデータがあります。

小・中学校における,長期欠席者数は,207,006 人(前年度194,898 人)である。

このうち,不登校児童生徒数は134,398 人(前年度125,991 人)であり,不登校児童生徒の割合は 1.4%(前年度1.3%)である。

高等学校における,長期欠席者数は,79,425 人(前年度79,357 人)である。

このうち,不登校生徒数は48,579 人(前年度49,563 人)であり,不登校生徒の割合は1.5%(前 年度1.5%)である。

平成28 年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(速報値)より

小〜高校までの児童生徒を合計すると、

  • 長欠は前年度27万4255人→今年度28万6431人
  • 不登校は前年度17万5554人→今年度18万2977人

昨年度よりも間違いなく増えています。

だから、「甘え」だとか「家庭での教育が間違っている」とか言っていても解決しません。

学校という場所自体も時代に合っていないのかもしれません。

学校の中にある重苦しい空気「同調圧力」

僕が教員をしている時には、あまり自覚しませんでした。

でも現場を離れて学校を観察していると、学校の中にある「重苦しい空気」に対して敏感になりました。

その正体は「同調圧力」です。

「皆と同じように振る舞いなさい」という圧力。

つまり集団へ順応させようとする力です。

一方、人間は多種多様です。

集団に適応するのが苦手な生徒もいるし、反抗する子もいます。

そういう子どもは集団と距離を置きます。

でも学校では、「皆と同じように振舞う」のが当然だし、

「集団の輪を乱してはいけない」というルールになっています。

同調圧力は集団からはみ出すことを許さない

学校の中には「集団からはみ出させまい!」という圧力があります。

「集団」という言葉は、個人個人の違いを考慮しません。

つまり集団とは「人間の平均値」のことです。

学校では、生徒が「平均」からはみ出してしまった場合は、平均に引き戻す力が働きます。

こういう圧力は見えにくいです。

注意深く観察していないと気づけません。

でも、不登校の子どもは学校の中にある「同調圧力」に息苦しさを感じたり、

反発したりして学校に行けなくなっています。

次は、「同調圧力」を具体化してみます!

同調圧力は人の自由を制限する

同調圧力とは、「人の自由を制限するものすべて」です!

もちろん「人の自由を制限する圧力」は社会を存続させるのに必要です。

なければやりたい放題の世界になってしまうので。

でも、同調圧力が過度に働くと人は「自分の自由が制限されている!」と感じます。

息苦しさをおぼえます。

例えば、最近は学校の校則も問題視されるようになっています。

「男子の前髪は目に被らないこと」などの項目が生徒手帳に載っていたりしますよね。

こういった校則は、長年多くの人が黙認してきました。

でも、髪の長さの規定は「男子はどんな髪型をしてもいい」というファッションの自由を制限しているわけですね。

最近は、そういう制限に対して「自由を制限されている」と感じる人が多くなってきています。

「ブラック校則」と言っている人すらいます。

以上から同調圧力について押さえておきたいポイントは次の2つです。

  1. 同調圧力は人の自由を制限する力だということ。
  2. 「自由を奪われたくない!」と人が反発・反抗するのは当たり前だということ。

ちなみに同調圧力のことをコーチング用語では「have to」と言います。

「〜しなければならない」という義務感のことですね。

次は、have to状態では人の脳はどうなるのかを説明します。

「〜しなければならない」では人の脳はワクワクしない

同調圧力はhave toという義務感のことでした。

じゃあ、have to(〜しなければならない)という義務感で人はどうなるのでしょう?

生産性と能力が急激に落ちます。

なぜなら、「〜しなければならない」という義務では人の脳は活性化しないからです。

例えば、あなたは「英語を勉強しなければならない」と感じているとします。

義務感でやる勉強はいい加減で浅いものになるかもしれませんね。

勉強時間もすごく長いものに感じられる割に全く進みません。

義務感でやっているとなぜこうなるんでしょうか?

本当にやりたいことを我慢している状態だからですね。

だから、同調圧力であるhave toは「〜したい」と言う気持ちを抑え込むブレーキになっています。

不登校が増えてきている理由

以上のコーチング理論を踏まえて、なぜ不登校が増えてきているのでしょうか?

「同調圧力」で自由を制限されるのを受け入れられない子どもが増えてきているということです。

そうやって感じる子が18万人もいます。

だから、「甘えだ!」とか、「忍耐力がない!」と注意しても何も解決にはなりません。

「皆はできるのに、なぜあなたにはできないの?」という同調圧力は、昔なら効果がありました。
社会の常識を教える上で通用していました。

価値観が今ほど多様じゃなかったからですね。

一方社会が激動している今は定まった価値観とか常識を教えられません。
これまで学校の中で信じてきた「正解」というのも怪しくなってきました。

例えば、「ここで勉強をサボると将来いい大学に入れないよ。そしたら安定した企業に就職できないよ!」と言われても生徒は納得しません。

だから、「これが集団のルールなんだ!」と押し付けられても生徒が納得できないのは仕方のないことかなと思います。

同調圧力の働きやすい3つの言葉

同調圧力は直接見ることはできません。

でも、圧力を与えるきっかけを捉えることはできます。

言葉です。

僕は以前の記事の中で、学校の中に存在する「命令・禁止・否定」の3つの言葉を紹介しました。

同調圧力を生みやすい言葉です。

具体的には、次の3つです。

  1. 命令「〜しなさい」
  2. 禁止「〜してはいけない」
  3. 否定「〜は無理だ」

これらの言葉って、学校の中で結構使われている言葉ではありませんか。
生徒に対して直接言うことはなくても、職員室で聞いたことはないでしょうか。

学校にいる以上生徒は、全ての物や人から同調圧力の影響を受けています。

同僚は圧力を与える言葉を使っていないでしょうか。
もしかしたらあなたも使ってしまっていたと後悔しているでしょうか。

この中で、あなたが一番変えられる部分があります。
あなたの言葉遣いです。

そこで、次はあなた自身の言葉遣いを観察するコツを教えます。

「強い同調圧力をかけてた」と思えば言葉遣いを変えていくこともできます!

コーチングを使えば、たった4つのステップで間違いなく変わりますよ!

言葉を変えるたった4つのステップ

ここでは、同調圧力の影響を少なくするコーチングテクニックを紹介します。

コーチングでは、言葉遣いを変えることであなたの思考パターンを変えていきます。

あなたの言葉や思考のことを「セルフトーク」と言います。

今回、言葉の使い方をコントロールしていくので、今回やるワークは「セルフトークのコントロール」と呼びます。

次の4ステップでセルフトークのコントロールをやってみましょうね。

  1. 意識に上げる(観る)
  2. 認識する(把握する)
  3. 仕分けする(仕分ける基準はゴール次第)
  4. 変えていく(続ける)

1意識に上げる(観る)

まずは、セルフトーク(あなたの思考&言葉)の棚卸し作業です。

人は普通、使っている言葉に無自覚です。

でも、無意識の言葉は変えられません。

セルフトークが出てくる時は、無意識が意識に上がってる状態です。

だから、セルフトークを観ればあなたの無意識の状態を知ることができます。

そして「どういう時に、どんなセルフトークをしているのか」を知っておいてください。

2認識する(把握する)

もしかしたらあなたの中から「同調圧力をかける言葉」がたくさん出てくるかもしれません。

もちろん教員である以上、同調圧力をゼロにする言葉は難しいですよね。

そこは僕も元教員なので十分理解しています。

でも、セルフトークのコントロールをやっていると、

自分の思考の傾向に気づけます。

何を変えるにしても、まずは現状を知ることです。

3仕分けする(仕分ける基準はゴールの自分)

使っている言葉を認識できたら、今度は仕分けです。

「使う言葉」と「使わない言葉」をあなた自身で仕分けします。

中から出てきた「セルフトーク(あなたの言葉・思考)」があなたにとって「必要なものかどうか」を判断します。

必要かどうかを判断する基準は、あなたのゴール次第です。

あなたが「どうなりたいのか?」「どうしたいのか?」というゴールで決まります。

基準はあなた自身で決めていいですよ。

ここまでの流れをおさらい

セルフトークのコントロールの一例を言います。

例えば、あなたの生徒が宿題をやってきませんでした。

すると「宿題をやってこないとダメじゃないか!」という言葉があなたの中で浮かびました。

まずは、その言葉を認識します。

次に、その言葉を「使うか」「使わないか」ふるいにかけます。

ふるいの基準は「あなたのゴール」です。

あなたの基準は「『生徒が自由を奪われた』と感じにくい言葉を使う」だとします。

「宿題やってこなくてダメじゃないか」があなたの基準にあってれば、そのまま使ってみてください。

でも、「別の言い方があるかもしれない」とか「言わない方がいいな」と思ったかもしれません。

その場合は、セルフトークを変えていきます。

4変えていく(続ける)

あなたの中で、基準=ゴールから見て「使わない方がいいな」というセルフトーク(思考や言葉)が出てくる時があります。

そんな時は、「こんな言葉使うべきじゃない!」とか「しまった!」とか思わなくてもいいですよ!

自己否定に走ると、セルフトークを変えることができません。

必要のないセルフトークは、否定せずに手放しちゃいましょう!

やり方は「自分らしくない言葉だな」とか「必要のない言葉だな」と

自分に言い聞かせるだけです。

シンプルなワークに見えましたが、実はものすごく深い意味があるので、

あなたも習慣化するまでやってみるといいと思います。

これができるようになるとあなたの言葉のレベルが格段に上がります!

やってみてくださいね。

まとめ

  1. 不登校児童生徒は小学校から高校まで合計すると18万人いる。
  2. 学校の中は、集団へ順応させようとする「同調圧力」が働く。
  3. 同調圧力は、自由を制限する力。不登校の生徒はそこに息苦しさを感じている。
  4. コーチングでは同調圧力のことをhave toと言い、「やりたい気持ち」にブレーキをかけている。
  5. 同調圧力がかかりやすい言葉は3つ。「命令・禁止・否定」
  6. あなたの言葉遣いを変えるポイントは4つで、やれば確実に変化する!

以上、「不登校の生徒に悩む教員のあなたがまず変える部分とは」でした!

それでは、また!

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